アダルトチルドレンが消耗せずに人間関係を築くには【対人関係論】

人との付き合い方なんてわからないよぉ・・・

人間関係って本当に難しいですよね。

私も人間関係ではいろいろ苦労してきたので、お気持ちわかります。

ですが、人の「思考」よりも人の「行動」に着目するようにしたら、人間関係はスムーズになるようになりました。

そこで、この記事では以下4つを解説します。

・アドラー心理学の「対人関係論」とは

・人間の本性に合った関わり方が良好な人間関係を築く

・他者だけでなく、自分を大切に

・80:20の法則

あなたがこの記事を読むと、人間関係で抱いていた不安を減らすことができます。

さらに実践すると、自分に合う人や自己成長を促してくれる人とだけ付き合えるようになり、人間関係トラブルを極端に減らすことができます。

アドラー心理学の「対人関係論」とは

対人関係論とは、アドラーいわく、人間のすべての行動には相手役がいる、といいます。

アドラー心理学では、相手役(過去の別の何人かの相手が『般化』されて含まれている場合も多い)を抜きにして人間の行動は考えられないとみなしている

相手の行動(過去も含む)に影響を受け、それに対して、人はある感情を抱き、ある行動をして返す。

そして、相手役も自分に向けてある行動をする。

そのようなことを何度も繰り返し、自分と相手役は何度も『ストローク』(『無視』をせず)を与えあって、お互いに多くの『影響(思考、感情、行動パターンなど)』をお互いが、お互いの『主観』を元に『解釈』し、『主体的』に受け止めている。

このようにして、人間はお互いに影響を与え合う人間関係の中で生きている(その時に関係のない人に対する過去の記憶なども含む)。

https://www.cocoronosoudanjo.com/blog/blog150.html (外部リンク)

機能不全家庭で育ってきたアダルトチルドレンにとって、このような人間関係が成立することはあまりないのではないでしょうか。

実際、私はこの対人関係論をはじめて知ったとき、よくわかりませんでした。

一方的な価値観の押しつけに慣れてしまったがゆえに、会話のキャッチボールの大切さに気づくことができませんでした。

しかし、親や恋人が発する「あなたのことを想って」は信用できるものではありません。

行動が伴っていない上辺だけの言葉は、人を大切にするどころか、人を軽く扱っているので流されてはいけません。

そうしたことから、人の思考面よりも「行動面」にフォーカスしたほうが、円滑な人間関係が築けるのだと思います。

人間の本性に合った関わり方が良好な人間関係を築く

円滑な人間関係を築くには、人間の本性(ほんせい)に沿って、人と関わると良いとされています。

人間の本性とは、人々がなにを求めているのかを見極めて、相手の願望をうまく満たすことです。

そして、すべての人が共通して大切にしてほしいと願っているのは「自尊心」です。

自尊心とは、自分の存在そのものに価値があると感じることです。

自尊心が満たされてないと、人々は摩擦やトラブルを起しやすいですが、自尊心が”満たされれば”、以下のように他者とうまくやっていくことができます。

・寛容の精神を発揮するので、相手の考え方にじっくり耳を傾けることができる。

・自分のニーズが満たされているので、相手のニーズに配慮することができる。

・精神的に安定しているので、相手にミスを指摘されても素直に認めることができる。

・批判を受け流すだけの自信があるので、おおらかな態度で相手に接することができる。

レス・ギブリン著者/弓場隆 訳『人望が集まる人の考え方』p.40

相手の自尊心を満たす際に注目するといいのは、相手にとって当たり前すぎて気づかないところに着目することです。

たとえば、挨拶ができる人。

「おはようございます」や「お疲れ様です」だけでなく、飲食店で店員さんに席まで案内してもらった際に「ありがとうございます」と伝えられるのは素敵なことだと思います。

そんなの誰にだってできる当たり前なことだよ、と一蹴してしまう人が多いですが、案外その当たり前ができる人は少ないです。

そして、夫婦間や恋人間で喧嘩が起こりやすい要因は、その当たり前な行為に対しての感謝の言葉が不足しているからと言われています。

しかし、感謝の意を表せば、相手は自尊心が満たされ、おおらかに接してきてくれます。

他者だけでなく、自分も大切に

前項の、”他者の自尊心を満たす”では、返報性の法則で相手に親切にしてもらえますが、他者だけでなく、自身の自尊心も満たす必要があります。

むしろ、自分の自尊心を満たしてこそ、他者の自尊心を満たせるようになるので、自己犠牲的になってはいけません。

アダルトチルドレン全体をとおしていえますが、特にケアテイカータイプは注意すべきです。

他者の機嫌をうかがって相手を優先してしまうのは、これまでの生活となんら変わりありません。

「生きづらさ」を脱却したいというのなら、自分の自尊心を大切にしてください。

自分の自尊心を大切にするには、”今”の自分の感情と向き合うことです。

自分の気持ちを大切にする 

自尊心を高めるには、自分の心の声に耳を澄まし、自分の気持ちを大切にする一方で、他人の気持ちに即座に反応しないことが重要です。自分の気持ちを重視することで、周囲からの要求が不公平だということに気がつき、より上手く対処できるようになるでしょう。

自分に関わる物事の決定権を他人に譲ってしまうことで自尊心は低くなります。決定権を委ねてしまえば、難しい決断を避けることができるので理想的に思えるかもしれません。しかし、自尊心を高めるには、自分に関することを自分で決定していかなければいけないのです。これを怠ると、他人が決めたことの狭間で身動きがとれなくなってしまうでしょう。また、これまであなたの代わりに決定してきた人がいなくなってしまった時、途方に暮れてしまいます。

https://www.wikihow.jp/%E8%87%AA%E5%B0%8A%E5%BF%83%E3%82%92%E6%BA%80%E3%81%9F%E3%81%99 (外部リンク)

大体の人が決断することから逃れようとします。

その理由は、主に「失敗」を恐れているからでしょう。

ですが、アドラー心理学「認知論」でもお伝えしたように、”本当の失敗とは、失敗から何も学ばないことである(by ヘンリー・フォード)”です。

歴史的偉人がこういうのですから、周囲の批判など気にせずに、失敗をバネにして乗り越えてしまいましょう。

そして、自分の自尊心を大切にするには、そうした否定的な意見を言ってくる人から身を守ることが重要です。

相手が価値観を押しつけてきたり、決めつけをしてきたら、「私はそうは思わない」と断ることが大切です。

そして、自分の決定に口出しをさせないように、論理的に、でも相手の自尊心を満たした言葉掛けをして伝えましょう。

難しいことをいっているのは理解しています。

しかし、そうした普遍的な技術を身につけると、毒親以外の厄介な人に遭遇しても、被害者になるリスクを大幅に下げることができます。

80:20の法則

最後になりますが、ここでは、あなたにとって価値のある人の特徴をまとめておきます。

私たちは小さい頃から、周りの人々と調和していくことの大切さを学んできました。

しかし、多くの人とただ繋がればいいというわけではありません。

そのなかには、あなたに依存してくる人やあなたの足を引っ張ってくる人、感情を乱してくる人、消耗させてくる人、あなたからなにかを奪おうとしようとする人なども含まれています。(およそ96%の人がこれに当てはまります)

そうした人たちと繋がっていても、あなたにいいことはありません。

ですが、これからお伝えする「80:20の法則」を頭に入れておけば、余計な人との付き合いを減らすことができます。

「80:20の法則」というものがあります。成果の80%は、20%の要因から生まれるという法則です。あなたにとって価値のある人は、全体の20%ほどしかいません。もっと言うと、20%の中でも「80:20の法則」があり、100人のうちあなたにとって重要な人は4人ほどしかいないのです。

つまり、自分にとって価値のある人は驚くほど少なく、ほとんどのつながりは意味がないということです。

井上裕之 著『好かれる人がやっている 人を惹きつける習慣』p.105

アダルトチルドレンのピエロタイプは特に当てはまるかもしれません。

ピエロタイプは八方美人な人が多いので、多くの人と繋がろうとします。

様々な人と付き合えるのは美点ですが、前述したように、あなたを消耗させようとする人もなかにはいるので、そうした人を見つけたら距離を取るようにしましょう。

そして、あなたにとって繋がるとご利益がある人は以下になります。

【あなたが繋がるべき人】

・自分より優れている人

・つき合うと学びがある人

・積極的な精神を持つ人

・一緒にいるとエネルギーが高まる人

井上裕之 著『好かれる人がやっている 人を惹きつける習慣』p.106

こうした人たちと付き合うと、あなたをポジティブにさせ、成長させてくれます。

損得で人と付き合いたくないという人もなかにはいるでしょう。

しかし、現在、人に振り回されていると実感しているのなら、「型」として身につけておくのもいいと思います。

そのあとに、実践して自分のスタイルに合った付き合い方を編み出していけばいいでしょう。

まとめ

いかがでしょうか?

今回はワークを用意しませんでしたが、学びになるものは多かったのではないでしょうか。

ロストワンタイプの私にとっては、アドラー心理学の「対人関係論」は私の価値観を大幅に切り替えさせてくれました。

他タイプのアダルトチルドレンは、手探りで人と関わった結果、糸が絡まったような状態になってしまいがちですが、一方、ロストワンタイプは、人との関わりを意識的に回避してきたほうなので、スタート地点が違います。

そのため、対人関係について理解するのに時間がかかりました。

ですが、前述した引用文のように様々な著書を読み比べ、実践的に日常に活用して役立ったものを選んで題材にしているので、あなたを不安にさせるようなことは書いていません。

ロストワンタイプの人は自分には関係ないとは言わず、ぜひ実践してほしいです。

一人で生きていければいいと考えたくなる気持ちはよくわかります(笑)

ですが、自尊心を満たしてくれるような関係性ができれば、良い意味で、もとの生活には戻れないと思います。

騙されたと思って、実践してみてください。

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