【ワークあり】ネガティブ思考はなぜいけないことなのか?

世間一般的にネガティブ思考はよくないこととされています。

しかし、よくないと言われていてもその理由を知っている人はあまりいないように思います。

なので、今回はネガティブ思考がなぜよくないとされているのかの理由や、ついネガティブになってしまう思考のクセ、その脱出方法について解説していきたいと思います。

ネガティブ思考はどうしていけないのか

ネガティブ思考とは、つまり劣等感を抱きやすい状態であること、そして思い込みが激しい状態のことをいいます。

劣等感とはアドラー心理学でもよく出てくるキーワードで、

「主観的に、自分のどこか劣っていると感じること」です。

他者と自分を比較して劣等感を感じるほか、自分の理想や目標と現実のギャップから湧いてくるマイナス感情も劣等感と呼ばれています。

劣等感を抱いても尚、目標に向かって走り続ける人ならいいのですが、

「劣等コンプレックス」の沼に嵌ってしまうと、そこから脱出するのに時間を費やすことになります。

劣等コンプレックスとは

アドラーによると、劣等コンプレックスとは、「劣等感」を言い訳にして、人生の課題から逃げ出すことをいいます。

(※人生の課題:対人関係に集約された3つの課題で、仕事の課題・交友の課題・愛の課題のこと)

たとえば、裕福な家に育たなかったから才能のない人間になったとか、親の遺伝のせいで自分は勉強ができない等、不都合なことがあればなんでも人のせいにして、努力を放棄する人のことです。

そして中には、人生の課題に取り組むのを避けるための言い訳として、自分が劣っていることをひけらかす態度や行動を取る人もいます。

たとえば、自分が病弱体質であることを笠に着て、周囲にわがままを通す人等です。

優越コンプレックスとは

また、劣等コンプレックスとは反対に、「優越コンプレックス」という言葉があります。

優越コンプレックスとは、自分が優れていることをひけらかす態度のことです。

(男アイコン)優れているならいいんじゃないですか?

(私アイコン)いいえ、優越コンプレックスの人は実際は優れているのではなく、”そう見せているだけ”

優越コンプレックスの正体はただ”権威付け”に一生懸命な人です。

自分が劣等感を抱いていることを認められず、自分がいかに優れているか見せたり、そのように行動したり、派手に着飾ったりします。

たとえば、「自分が本気を出せば5科目100点なんて余裕さ」と言っておきながら、

あとで体調不良で本調子じゃなかったから、しかたないと言い訳してしまうのは

優越コンプレックスの典型的な例です。

このように劣等コンプレックスも優劣コンプレックスも根本は同じで、劣等感を言い訳に努力を放棄する傾向が強いのです。

総じて、ネガティブ思考であることで、思い込みに囚われた生き方をするようになります。

思い込みに囚われるとは

別の記事で「認知論」について解説しましたが、人間は同じものを見ていても、人によって様々な解釈をするとありました。

思い込みも似たようなもので、その人の主観から形成されています。

そのため歪んだ発想から思い込みが形成されることも多く、それによって、自分自身も生きにくくなり、周囲との摩擦も生じやすくなります。

この考えをアドラー心理学では「ベイシック・ミックス(基本的な誤り)」といいます。

5つのベイシック・ミックスとは

ベイシック・ミックスは、5つの種類から成り立っています。

ベイシック・ミックスを理解することで、自分がピンチに陥った時に、つい支配されてしまう誤りを知ることができます。実際にどれが自分に当てはまるのか確認してみましょう。

①決めつけ

可能性に過ぎないものを自分で勝手に決めつけてしまうこと

例)一度の失敗でもうダメかもしれない…と思ってしまう

例) あの人は私のことを嫌いに違いない

②誇張

物事を拡大して大げさに捉えてしまうこと

例) 周りのみんなはいつも、私のすべてを否定する

例) テストの結果は92点、でも100点ではないから、0点と一緒と考える

③見落とし

ある部分だけを切り取って見て、大事な側面を見落とすこと

例) (うまくいった部分もあるのに)全部失敗した!

④過度の一般化

なにか一部うまくいかないことがあると、別のこともうまくいかないと思い込む

例) 忘れ物して遅刻したから、今日は一日いいことはないだろう…

⑤誤った価値観

自分が無価値で、「自分には生きる価値がない」などと自滅的に捉えること

例) 失業した自分は生きていてもしかたない…

【ワークあり】歪んだ思い込みから抜け出す3つの方法

上記の5つのベイシック・ミックスのいずれかに嵌った際に、こう考えたら抜け出せる!という脱出方法があります。それを以下で解説します。

歪んだ思い込みから脱却するには、結論からいうと、

“自分やまわりにとって健全かつ建設的で、現実的に即した考え「コモンセンス」(共通感覚)を持つことがいい”とされています。

つまり、歪んだ思い込みに陥っている人は視野が狭くなっている状態なので、自分以外の他者の視点に立って、建設的に考えるとよいということです。

それでは具体的に、どうしたらコモンセンス(共通感覚)を養うことができるのか次の項目から確認していきましょう。

①「本当にそうなの?」と疑ってみる

自身の思い込みに嵌ると、現実的にありえないことでもついそう信じてしまいそうになります。

しかし、そこで、「本当にそうなのか?」「証拠はあるのか?」と自身の思い込みにぶつけてみると、徐々に視界がクリアになっていきます。

まずは、自身の思い込みを疑ってみる、そこから始めてみましょう。

②「あ、またやってしまっているな」と自覚する

人には基本的に慣れ親しんだ思考パターンがあります。

そして、その思考パターンがいつも同じ失敗をしてしまっているのであれば、

その失敗を繰り返さないために別の思考(成功パターン)を取り入れてみましょう。

しかし、失敗を繰り返さないように意識づけるには、さきに”自覚”する必要があります。

慣れ親しんだ思考パターンは無意識に行われているので、意識するのは難しいことでしょう。

なので、ノートに自分の無意識を書いて「見える化」して、自分の思考の流れを把握しましょう!具体的な方法については以下から知ることができます。

【ワーク】

Q1. 最近、どんなことで失敗しましたか?

Q2. どうして失敗してしまったのでしょうか?

その時、考えていたことを思いつくかぎり、書き出してみましょう。

これを日々繰り返すことで、徐々に自分の思考のパターンが分かるようになっていきます。

③「こうすればどうだろう?」と建設的に考える

自滅的な方向に考えがいきそうになったら、「どうすれば抜けられる?」「どうすればいい方向に向かうか?」と建設的な方向に想いをめぐらしてみましょう。

たとえば、②「あ、またやってしまっているな」と自覚する、のワークで、

自身の思考パターンを認識できたとします。

そして、自身の思考パターンが自滅的だと気づいたら、試しにその真反対な思考(ただし建設的であること)でやってみる、という考えです。

具体例をあげると、

他者に舐められた態度を取られる

⇒その理由が、自分に自信が持てないことから目立たないように、また言葉をにごした曖昧な表現をすることが多いから、と気づく

⇒では逆に、身だしなみを整えて、ハッキリとした物言いにしてみてはどうだろう?

という考えに至るのが、③の建設的に考える、です。

ちなみに、この具体例はかつての私の実例です。

実際、この通りに行動したら、周囲の私への認識が一瞬で変わりました^^

こうした経験を少しずつすることで、本当の意味で、自信につながるようになります。

まとめ

今回は、ネガティブ思考がなぜよくないのか、劣等感や劣等コンプレックス、優越コンプレックスをまとめて解説していきました。

また、ネガティブ思考に陥ってしまう思考のクセや、その脱出方法についても明らかにしました。

この記事のワークを繰り返し行い、思い込みループから解放されましょう!

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